行政書士が申請取次ぎを行う意義

行政書士の中で所定の研修を受け、考査に合格した者には、在留資格の申請にあたって「申請取次ぎ」という資格が与えられています。申請者と入出国管理庁の間を取り持ち、在留資格の申請を取り次ぐ役目です。在留資格を得ようとしている外国人が、日本の役所に対してその手続きを行うことは大変困難であり、行政書士がそれをサポートしています。

しかし、行政書士の中でもその立ち位置が、いまひとつ曖昧だと感じている人が少ないないと聞きます。と言うのも、行政書士は申請者から報酬をいただきます。そうなると、どうしても申請者に有利な書類を作りがちになります。しかし、重要なのは作成する書類に虚偽があってはいけません。「盛る」という言葉もありますが、事実を課題に評価した内容としてしまうのも、虚偽として扱われる可能性があります。

この部分の考え方は、行政書士として適切な認識を持つべきでしょうし、お客様となる申請者や外国人を受け入れる企業様にしっかりと理解していただいたうえで、ご依頼をいただくことが大切だと考えております。

以上の視点に関連し、依頼者の外国人の方と話をしていて感じることがあります。


「真実」の定義が国によって異なる

入出国管理庁へ申告する書類には、申請者の都合の悪いことなども正確に真実を申告しなければなりません。しかし、我々からすると「真実」というのは、ひとつだけだと思っていても、外国人の方から「真実」を聞きだすことがいかに難しいかというのが、この仕事をやっていて感じることです。

本人からすれば虚偽の申告をしているわけではないのでしょうが、結果的に虚偽の申告になっていることがあります。おそらく申告時にはあまり深く考えていなくて、いい加減に回答をしたために生じてしまうのだと思います。

この辺りを、行政書士が本人の認識を改めさせ、軌道修正を行っていきます。


日本に在留できることを当然に考えている人も

申請者によっては、在留の要件を容易に満たし、比較的に楽に在留の許可が出る人もいます。しかし、そういう人ばかりではありません。就職先さえあれば在留が認められるぐらいに考えている外国人の方も少なくありません。また、受け入れる企業様も積極的に協力してくれるというので、企業様の担当者と話をしてみると、外国人を雇用することがどれだけ大変なのかを初めて知り、そもそもの状況が変わってきたりもします。

外国人の方が日本に在留し、それも働くということは結構ハードルが高いことであるという認識をぜひ持っていただき、知識がない場合はぜひ行政書士を頼っていただきたいと思います。

最後に:行政書士としての仕事を誠実に行って参ります

今回は抽象的な話題となりましたが、外国人の方や企業様にとって就労ビザを取得することは、たいへん煩雑で負担となる手続きです。その手続きを行政書士に依頼すれば、うまく書類を作って良い結果が得れると考えがちになります。

しかし、行政書士の職務を誠実に全うするために、申請者となる外国人の方や受け入れる企業様には、しっかりとした認識を持っていただくようご説明をしますし、我々が作成する書類は真実に基づいて適正に作成をして参ります。いざ更新申請の際に、前回の申請が虚偽の申請だということにならないよう、長い目で見て申請者の方の利益となるよう努めて参ります。

ここ最近、考えたことを述べさせていただきました。